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エリアマーケティング 

地域性に対応のマーケティングを考える
「人口減少経済」の新しい公式
   出典:『「人口減少経済」の新しい公式』 松谷明彦著 日本経済新聞社刊 2004年
 
 これから-消費主導の経済へ向う日本
 日本経済は「消費主導の経済」に向かって変化を始める。その流れは,政策をもってしても,企業行動によっても変えられない。人口の高齢化による国民貯蓄率の低下によって,必然的に投資に上限が画されるからである。それ以上の投資をしようにも,そのための資源が国内にはないのである。
 ただし投資に要する資源を輸入すれば,投資水準を上回ることは可能である。しかしその場合は国際収支が赤字になる。いわば外国の資源を借りることになるからだが,アメリカのような基軸通貨国であればともかく,国際収支の赤字を長く続けることはできない。したがって中長期的には水準を上回ることはできないと考えるべきである。
 しかし消費主導の経済に向かうとは言っても,投資比率は2030年でも26.6%であり,現在の欧米各国の水準をなお大きく上回っている。


これから-労働力のあるところに企業が動く
 戦後,なぜ三大都市圏で急速に産業が発展し,地方の産業が衰退したのか。
それは戦後日本の経済が投資主導の経済だったからである。日本経済における投資の比率は欧米各国に比べて格段に高く,産業構造もまた各国に比べて大きく投資財産業に傾斜した。そして投資財産業とは鉄鋼,金属,窯業,重電,重機械などの大規模装置型産業であり,かつ資源稀少国の日本では,その原材料の多くを海外に依存せざるを得ない。そのためそれらの産業が立地し得る地域は,原材料輸入のための大規模な港湾を建設し得る海岸線と,工業用地のための十分な後背地を持つ地域に限られるが,そうした地域は,実は日本には東京湾,伊勢湾,大阪湾の三カ所しかない。大型船が着岸するにはかなりの水深が必要だが,その他の海岸線はそうした地理的構造を持たないのである。
 したがって投資主導の経済のもとで東京湾,伊勢湾,大阪湾で産業が急速に発展し,その他の地域の産業が衰退することになったのは当然の帰結だった。

 しかし人口減少高齢社会では,逆に労働力のあるところに企業が移動するという面が強まると考えられる。消費需要の拡大と多様化,そして地域的な労働力構造の変化がその要因である。それは地方地域の所得水準を向上させ,市場としての魅力を高めるだろう。産業分布は分散化するから,地方地域において就業機会が不足するとは考えにくい。


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